【VOICEプロジェクト】 松隈ケンタ特命教授「『育てる』ことや『教える』ことは僕のライフワーク」
執筆・福山雄大
大学に通った経験がないのに大学教授へ
松隈さんは高専時代にバンドを結成し音楽活動を始めプロミュージシャンになった。つまり、大学に通ったことはない。大学と縁がなかったにも関わらずなぜ松隈さんは特命教授になったのだろうか。
「広告代理店の藤原さんを通じて大学でゼミを作って講義をしませんか?と声をかけていただいて。僕のところに話が来るときは大体は曲を作りましょう、作りませんか?というお話が多いですが、今回は教授として大学のゼミを作って講義をすることに興味ありませんか?といったお話で僕自身も音楽スクールの運営やアイドルをプロデュースしたりだとか「育てる」ということや「教える」ということは僕のライフワークでもあるので大学と関わらせてもらう事はとても嬉しいことだと思い、話を受けました。大学教授になれるってとても光栄なことだし率直に嬉しいよね。」
トップダウンではなくて一緒に作り上げる
学生広報編集部も一日だけだが授業を受けた。通常の講義では教授が教科書や自作の資料に沿い授業を進めるが、松隈さんの講義は通常の講義スタイルではなくディスカッションをしながら、一緒に考える授業でとても面白いと感じる授業だった。
「一緒に考える授業をしたくて。今回のテーマはトップダウンではなくて一緒にやろうというテーマで、曲作りからオーディションもみんなに決めてもらうことで学生にとってもいい作品が完成すると思ってね。最初から(参加学生は)10人が限度かなってところで、それ以上いるとみんなの発言機会が減るという予測だったので。僕がしゃべるだけっていうのは YouTubeや本でいいからというのはありますね。コロナウイルスの影響もあってオーディションもオンラインで参加した子もいて、結果的にちょうど良い感じの規模感になったかな。最初は僕も学生も探り探りだったけど…。最後の講義にしてようやく空気感だとか形が出来たので、また引き続き機会がいただけるのであればもっと面白くできるかなと思いましたね。」
個性的な大学PRを作る
講義、オーディションを経て曲が完成し、いよいよ楽曲発表に臨む。講義の中で学生は、駅をジャックしテーマソングを流す案や SNS でテーマソングに合わせて踊った動画を投稿するといった案が出ていたが松隈さんは、
「僕が勝手に思っているのはぜひ学校の先生方に踊っていただければと。外国の先生もいらっしゃって情景が面白そうだから、グラウンドだとかイングリッシュガーデンとかに整列して。みんなで歌って踊ったら個性的って思われるかもしれないけど大学自体のPRにもなるでしょ。」
学生広報編集部:そうなった場合は松隈さんももちろん参加されますよね?
「僕が踊っても(笑)学⾧が踊ってくれるなら参加してもいいかな。もちろん学⾧がセンターで。そんな映像があったら面白いでしょ?海外でもバズるんじゃないかなって。学生もぜひ参加してもらってとにかくシンプルなダンスを大人数で踊りたいな。」
と笑顔で語った松隈さん。是非学⾧に参加してもらい、ダンスを披露してもらいたい。
最終講義を終えて…
「今回、ゼミ生もオーディションに関わってくれた人も楽しんでもらえたと思うし、オーディションで新たなキャラを発掘できてよかった。まだ一年目で応募するのに躊躇した人もいるだろうから、続いていくのであればいい人材に出会えると思うのでぜひまたやりたいな。この記事を通して盛り上げていただけたらなと。」
熱い思いで語ってくれた松隈ケンタさん。大学に縁もゆかりもない松隈さんが教授として大学生を教える立場へ。インタビューを通して分かったのは、良い作品を作り出すには全員が一丸となり納得したものを選ぶこと。トップが決めるだけではよい作品は生まれないと感じた。松隈さんは新たな人材を見つけ育てることに情熱を注いでいた。
―Profile―
松隈ケンタ
・福岡県出身。プロデュースした楽曲がヒットチャートの上位にランクインするなど、現在の日本の音楽界を牽引する第一人者。2005年にロックバンド「Buzz72+」としてメジャーデビュー。現在は「BiSH」や「豆柴の大群」などを手がける音楽プロデューサーとしても活動。2018年に福岡に活動拠点を移し、福岡のミュージシャンやアーティストを発掘メディアへの出演なども行い、福岡の音楽シーンを盛り上げる一翼を担う。
・株式会社スクランブルズ 代表取締役
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC0BdujQ1ifKNgKnSe5N6qlQ